リビングを飾る出窓は、カーテンもおしゃれにコーディネートしたいものですね。また、キッチンや洗面所にも出窓を利用しているご家庭が増えています。
近年では、スペースの有効活用として出窓を設けるケースが増えていますし、狭い部屋でも出窓を設けることで部屋を広く見せることができたり、デッドスペースを有効活用することができます。
では、出窓を素敵に飾るには、どのようなカーテンが適しているのでしょうか?
カーテンはお部屋の中でも最も面積の大きいインテリアの一つです。出窓には様々なスタイルがありますが、こだわりのあるカーテン選びはお部屋全体の印象を作り上げる重要な要素となるものの、「こうしたい」「こうすればお洒落に出来る」といった確固たるアイデアになかなか到達しないのも事実ではないでしょうか。
そもそも、出窓にはカーテンをつけるのが良いのか、それそもブラインドやそれ以外の選択肢もあるのか?
カーテンレールを設置する位置はどこが正しいのか等、意外と疑問が出てくるのではないでしょうか。
このページでは、出窓のあるお部屋に住まわれている方を対象に実施したアンケート結果なども紹介しながら「出窓のカーテンはどうしていくべきか」について整理していきます。
出窓についての勘違いをなくそう!
出窓とは建物の外壁から外側に突き出した窓で、様々なタイプが存在します。
適切なカーテンを選ぶためには、出窓の大きさや形状、開閉方式、レールの種類などを把握することが重要です。
出窓は一般的な窓よりも、より高いセンスが求められる箇所です。
最近は、インターネットでカーテンを購入する人も増えていますが、出窓を飾るカーテンに関しては、実際に店舗で相談することをおすすめします。そうすることで、出窓のある素敵なお家でのライフスタイルが一層豊かになることでしょう。
一般的な出窓の大きさは?
出窓の位置や奥行きに関しては、「床から30cm以上の高さ」「外側への出幅が50cm未満」、なおかつ「出窓部分の見付面積の二分の一が窓である」の3つの条件を満たしていると、建築基準法上、床面積に含まれず固定資産税に影響しません。
そのため家の出窓と言えば、上記のような位置と奥行きの設計が多いと推測できます。
「出窓の天井が部屋の天井と同じ高さである」「出窓の下部分が収納できる地袋になっている」「外から見ると出窓が屋根下から一体になっている」などの出窓は床面積に算入されるので、あまり見かけないかもしれませんね。
また出窓の幅はいろいろですが、130〜160cm前後が一般的でしょう。
サンルームは出窓と違う
立派なお家ですと、サンルームがある場合もありますが、これは出窓とは違います。
お店に行って相談する時なども、サンルームとお伝えしたほうが良いので混同しないようにしましょう。
一般的な出窓の形状は?
出窓の形状は、「ベイウインドウ」と呼ばれる台形出窓、「ボウウインドウ」と呼ばれる弓形出窓があります。
ベイウインドウは「正面の大きな窓が引き違い窓で、両サイドがはめ殺し窓」のタイプと 「正面の大きな窓がはめ殺し窓で、両サイドが縦のすべり出し窓」のタイプが多く見られます。
ボウウインドウは、同じサイズの窓を3枚以上並べて弓形に張り出した出窓で、縦のすべり出しと、はめ殺しを組み合わせることが可能です。使用する窓ガラスの枚数が多いほど、張り出すラインが曲線に近くなります。
はめ殺し(はめころし、はめごろし)とは、壁などに直接はめ込まれた、開閉することができない窓のこと。はめ殺し窓(はめころしまど、はめごろしまど)、フィックス窓(フィックスまど、英:Fixed window)ともいう。「フィックス(Fix)」は「固定する」の意。
引用:wikipedia
コーディネートやレールの配置に影響するので、まずは自分のお部屋の出窓の形状を確認してみると良いですね。
出窓カーテンはどうしてる?レール位置と選び方とポイント
出窓は通常の窓と比べても少し変わった形をしていることが多いせいか、どうしたら良いのか分からないという人が多いようです。そこで当サイトでも「みんなは出窓のカーテンどうしているの?」というアンケートを取ってみたので紹介していければと思います。
出窓にはカーテン?ブラインド?何が付いている?
まずは、出窓に何が付いているのか聞いてみました。
インターネット上にはレースのみや、シェードをおしゃれに使っているケースなども多く見られましたが、今回のアンケートでは圧倒的に出窓にはカーテンを付けているという方が大多数でした。
出窓に付けるカーテンの位置はどこ?
次に、窓枠に沿うように装飾をしているのか、もしくは出窓スペース全体が隠れるようになっているのかを聞いた結果がこちら。
この結果を見ると、出窓をどのように装飾しているかは人それぞれという事が分かりますね。
出窓はお洒落な場所でありながら、「これが正解!」というのが存在していない事が悩んでしまう原因だったようですね。
ただし、インテリアコーディネートの視点で考えると出窓は壁からくぼんでいるため、カーテンは窓ガラスに沿ってレースカーテン、壁に沿ってドレープカーテンを吊るすのがまとまりが良いはずです。
壁側に吊るすドレープカーテンのレールは、腰高窓と同じように直線レールですが、窓側に沿って吊るすレースカーテンのレールは直線では取り付けられません。出窓の形状によって、ボウウインドウなら台形、ベイウインドウなら弓型になります。つまり、カーテンレールも台形または弓型に取り付ける必要があります。
出窓用のカーテンレールには、出窓の形状に合わせて自由にカーブするレールがあります。サイドの壁の窪んだ位置から反対側サイドの壁までカーブレールを設置することで、レースカーテンを吊るしたときに出窓のガラス全体を覆うことができます。
簡易に出窓用カーテンレールを付けるなら
新築であれば設計の段階で、中古や賃貸の方は基本オーダーメイドで作っていただく事を推奨しています。ただ、緊急で出窓にカーテンレールが必要な場合は、簡単に手で曲げながら設置できる商品も発売されています。
サイズ調整などは自分で行ないカッター等で切断していくものなのでそれなりに設置が大変であること、耐久性などはよく調べてから購入することをお勧めします。
壁側のカーテンレールは簡易なものだとダサく見えてしまうかも
壁側に取り付けるカーテンレールは出窓の奥部分と違いとても目立つパーツになります。レールの種類やスタイルにそれほど拘らなくて良いかという人も、ここだけは手を抜いてしまうとお部屋の印象が一気に悪くなってしまうかもしれません。
新築時や入居時にすでにまともなカーテンレールが付いている場合は良いと思いますが、新たにカーテンレールを取り付ける場合は是非、地域の専門会社さんに依頼する事をおすすめします。
出窓につけるカーテン生地の選び方
出窓のカーテンと言っても選び方は通常のカーテン、オーダーカーテンと似ている部分が多くあります。よりインテリア性が高く、人目にもつきやすいという点も含めて考えると、各フェーズごとに気にしておきたいポイントは以下の通りとなります。
ポイント | 説明 |
---|---|
出窓の形状 | 出窓の形状に合わせて、カーテンの形状を選ぶ。突出部分のある場合は、カフェカーテンやプリーツスクリーンなどの短いタイプを選ぶのがおすすめ。 |
色や柄の選択 | 出窓が北向きで暗い場合は、明るい色や柄を選ぶと部屋全体が明るくなります。南向きで日差しが強い場合は、暗い色を選ぶと遮光効果があり、涼しげな印象になります。 |
素材の選択 | 出窓の目的に合わせて素材を選ぶ。遮光性が高いもの、通気性が良いもの、防音性があるものなど、機能性に応じて素材を選択するのがおすすめ。 |
カーテンの長さ | カーテンの長さは、出窓の高さに合わせて選ぶ。床から2~3cmのところにカーテンがあると、おしゃれで適度な間接照明が得られます。 |
デザイン性 | カーテンのデザインは、部屋の雰囲気を決定します。出窓がある場所が明るい場合は、暗い色を選んでアクセントを出すのがおすすめ。逆に、出窓がある場所が暗い場合は、明るい色や柄で明るさをプラスすることができます。 |
出窓におすすめのカーテンは?
装飾性の高い出窓には、カーテンも思い切りおしゃれにコーディネートしましょう。
出窓はその特殊な形状から、カーテンも多彩なデザインやスタイルがあり、特に窓ガラス側に吊るすレースは装飾性において出窓を楽しむ醍醐味でもあります。
出窓におすすめのレースやドレープカーテンを、スタイル別にご紹介します。
出窓側に吊るすレース
出窓の窓ガラス側に吊るすレースのスタイルは、スカラップアーチやバルーンシェード、セパレートタイプ、クロスオーバーなどがあります。
ロールスクリーンについては、別ページにて詳しく解説しています。
お部屋をすっきり見せられるので最近では住居でも利用している方が多いアイテムです。是非、下記ページもご覧ください。
スカラップアーチ
裾のラインがアーチ状で横長の出窓をおしゃれに飾ります。ボイルレースの裾にフリルやマクラメが施されているものが多くあります。裾のラインはアーチ型のほかにも、変形M型などさまざまな曲線があり、出窓をエラガントに演出します。既製品ではギャザーを調整して寄せることができるタイプもあります。
布を縫い縮めて寄せるひだ。洋服のフリル部分などをイメージすると分かりやすいですね。
バルーンシェード
バルーンシェードは上下に開閉するローマンシェードのひとつで、シェードを上げた時に裾の数箇所がバルーン状にたくし上げられるカーテンです。フェミニンなイメージに窓辺を飾ります。
セパレートスタイル
数枚のレースカーテンを並べて吊るすセパレートスタイルです。カーテンレールに通す上部は繋がっていることもあり、セパレート部分の1枚ずつをタッセルで結びます。ボウウインドウの場合、窓ガラスの枚数に合わせるとおしゃれです。
クロスオーバー
クロスオーバーは、両開きの左右のカーテンが中央で重なるスタイルです。
重なり分は窓幅の3分の1が一般的です。カーテンのトップはレールに固定されるので、タッセルで束ねた時に左右のカーテンが重なり美しいたるみが生まれます。
カーテンの形状は通常の長方形ではなく、重なった時に中央の生地が届くように中央を長めにして仕立てられるので、常にタッセルで束ねられた状態にしておきます。横から裾にフリルなどをあしらうと、さらに華やかな出窓になりますね。
壁側(出窓手前)に吊るすカーテン
壁に沿って吊るすカーテンは、閉めてしまうと出窓が見えなくなるので、腰高窓などと同じように選ぶことができますが、ポイントはカーテンを開けた時に窓ガラス側に吊るしたレースカーテンとの相性やバランスです。
両開きのドレープカーテンならコーディネートしやすいので、お部屋のテイストに合わせて色や柄を選ぶと良いでしょう。
スタイルカーテン
出窓の壁に沿って吊るすカーテンのスタイルも、デザイン性の高いものがいろいろあります。カーテンを開けた時、窓ガラスに吊るしたレースのスタイルに合わせてコーディネートしましょう。
窓側のレースをバルーンシェードにしたのなら、壁にはすっきりとプレーンシェードやシャープシェードがおすすめです。
シェードを降ろした時と上げた時のイメージががらりと変わります。トップオリートメントにカーテンバランスを合わせたり、シェードのボトム部分の生地を切り替えるなど、アレンジ次第でさまざまなイメージになります。
ここまでは、窓側にレース、壁側に厚手のカーテンを吊るすコーディネート方法をご紹介してきましたが、窓ガラス側もしくは壁側に、ダブルシェードで飾る方法もあります。
ダブルシェードは、前幕が厚手の生地、後幕にレース地が組み合わさるシェードです。
シェードは閉めるとフラットなスタイルなので、すっきりとした窓空間になります。開けるときは前幕と後幕の昇降位置をそれぞれ調整できるので、調光が自由自在です。
カーテンバランスで出窓コーデをワンランクアップ
出窓を飾るにはカーテンバランスもおすすめです。カーテンバランスとは、カーテン上部に施す前飾りでいろいろなデザインがあります。
バランスは窓ガラス側のレース、壁側のドレープの両方につけるとしつこくなるので、どちらか片方にコーディネートすることをおすすめします。
窓側のレースにつけるバランス
バルーンシェードやスカラップアーチに合わせてバランスをつけると、フェミニンさも倍増します。ギャザーバランスや、フリルバランスなどで可愛らしい出窓を演出しましょう。
壁側のカーテンにつけるバランス
大きな柄の生地にはフラットバランスがおすすめです。ヒダやギャザーがなく、柄そのものがバランスで楽しむことができます。
バランスの裾のカットも直線だけではなく、アーチ型や変形スカラップ型などのカットバランスを取り入れてもいいですね。裾のラインにトリムやコードを施したり、異素材のフラットバランスを重ねたり、多彩なアレンジが可能です。
窓側のバルーンシェードに合わせて、壁側のカーテンにはスワッグバランスをコーディネートしてみましょう。
3スワッグ、5スワッグとスワッグの数をシェードのバルーンの数に合わせるとバランスが良くなります。もしくは、1スワッグ&テイルでクラシックエレガントにまとめてもおしゃれですね。
装飾レールやタッセルも出窓とは相性抜群
出窓にはカーテンだけでなく、レールやタッセルにもこだわってみませんか?
ドレープカーテンなら、ナチュラル感のある木製ポールやクラッシックなアイアンレールなど、装飾レールを利用するとアクセントになります。
またタッセルを別生地でつくったり、豪華な房飾りをつけたり、アイデア次第でますますおしゃれな出窓になります。
タッセルについては下記に詳しくまとめました。
出窓につけるカーテンのおしゃれなコーディネート例
細かい話に入る前に出窓につけるカーテンのコーディネート例を見てイメージを膨らませておきましょう。
出窓×バルーンシェードのコーディネート
オーダーカーテン専門店に依頼するとやはり魅力的な窓にしてくれますね。ただでさえ素敵な出窓が一層お洒落に見えます。
こちらが下ろした状態の写真。こちらにドレープのカーテンをあてる事になりますね。お部屋への光の入り方等、既製品では演出できないクオリティです。
白色のバルーンシェードは、出窓に取り付けると柔らかく優雅な印象を与えますね。窓辺に面する部分が明るくなり、開放感のある空間を演出することができます。軽い素材だと、風通しもよく、夏場には涼しさを感じさせます。
白色は、清潔感があり、明るい印象を与えるため、多くのインテリアスタイルに合わせやすく、使い勝手の良いカラーと言えます。出窓に白色のバルーンシェードを取り付けることで、お部屋のアクセントになり、快適な空間を印象付けてくれますね。
ビタミンカラーで元気な出窓を演出
使っている生地はDESIGNERS GUILDの「MANHATTAN」シリーズ「DELANCEY」という生地。グリーン越しに光が射すのも素敵ですね。
輸入生地のリネンカーテンで大人感を演出した出窓
こちらは輸入カーテンの専門店ルドファンさんの施工事例。木製サッシとスペインからの輸入生地がばっちり合っていて大人感の強い出窓になっています。
ナチュラルな雰囲気が素敵なコーディネート例です。
出窓にリネンカーテンを取り付けることで、自然光が差し込んだお部屋にやわらかい光が広がり、リラックスした空間を演出することができますね。
シルエットシェードとタペストリーで出窓の3方向を飾る
ハンターダグラスのシルエットシェードを正面に、両サイドの窓は透け感のないレースのタペストリーで仕立てた事例。出窓の両サイドの窓は巾が小さいことが多く、製作寸法に満たない場合があります。
しかし、専門店に依頼すると上手にまとめてくれるのでやはり安心ですね。
その他お洒落な出窓カーテンコーディネート例
既製品ではやはり出せないクオリティという事が分かりますね。出窓をコーディネートする時にはいくつか選択肢があると思いますが、是非参考にしてみてください。
出窓には装飾性の高いカーテン選びを
出窓のカーテンの選び方をご紹介しましたが、いかがでしたか?
装飾性の高い出窓は、ウインドウトリートメントのコーディネートも力を入れたいところです。
出窓の形状に合わせたスタイルで、素敵な窓空間を演出してくださいね。
インテリアの中でもカーテンが与える印象というのがとても大きいのですが、出窓は特に注意が必要な箇所となります。
いろいろ出来るが故に難しい。だけどシンプル過ぎると印象を悪くしてしまう。他の箇所よりも採寸からプロに任せてしまうのがお得なのではないかと思います。
また、出窓のあるお部屋によってもコーディネートが少しずつ変わってきます。下記のお部屋ごとのポイントも時間があればチェックしてみてください。