遮音カーテンの種類と選び方のポイント

機能別

家庭内では、家族構成やライフスタイルに応じて、様々な音が発生します。外部に漏れる音にお悩みの方には、遮音カーテンがおすすめです。遮音カーテンは、家の中の音だけでなく、外部からの騒音も緩和してくれます。

遮音カーテンは、遮音効果の高い素材や構造を採用しており、音の吸収・反射・遮断などの効果が期待できます。選び方のポイントは、使用環境や発生する音の種類・音量に合わせたものを選ぶことが大切です。遮音カーテンを取り入れることで、快適な室内環境を実現しましょう。

遮音カーテンを選ぶ理由

遮音カーテンを選ぶ理由

家の中の「音」を漏らしたくない

都市部では、住宅密集地帯が多く、窓を開けるとすぐ隣の家との距離が近いことが少なくありません。そのため、家の中の音が外に漏れ出て、近隣の方に迷惑をかけてしまうのではと心配する方もいるでしょう。共同住宅の場合は、さらに慎重になる必要があります。

家の中から音が漏れることを防ぎたいという理由はいろいろあります。
例えば…

  • 赤ちゃんの泣き声や子どもの騒ぐ声が外に漏れることを防ぎたい
  • ピアノやヴァイオリンなど、演奏の練習をしたい
  • 迫力ある音量でホームシアターを楽しみたい
  • ペットの鳴き声が漏れることを防ぎたい
  • 家の中でカラオケを楽しみたい

などが挙げられます。

外の「音」を遮りたい

外の音

静かな住宅街であれば、外部の音に悩まされることは少ないかもしれませんが、車の往来が激しい街道沿いや、幼稚園や学校などの施設が隣接していたり、繁華街の近くに住んでいたりすると、環境的な問題によって「音」に悩まされることがあります。

  • 外の声が気になる
  • 隣の家の音が気になる
  • 車の走行音がうるさい
  • 飛行機の音がうるさい

こうしたさまざまな「音」の問題に有効的なのが遮音カーテンです。

遮音カーテンの仕組み

遮音カーテンの仕組み

音を防ぐためのカーテンは「防音カーテン」や「遮音カーテン」などとして販売されていますが、その仕組みは「吸音」と「遮音」です。

音が生じたときには、反射、吸収、透過の3つの現象が起こります。

  • 音が壁にあたる→反射
  • 音が窓から外に抜ける→透過

ではカーテンを閉めるとどうなるでしょう?
音はカーテン生地の繊維に吸収されます。

吸音

布製のカーテンは、繊維が音を吸収する性質があります。遮音カーテンは、この吸音性能を高めるために、音を吸収しやすい織り方や仕立て方をしています。

例えば、ピアノの音楽教室などに使用されるベルベット素材のカーテンが代表的です。ベルベットはパイル織物で、タオルと同じく織り上げた後の処理が異なります。ベルベットはループをカットした切毛状になっているため、空気を含んだ起毛素材に音があたると、毛足の奥まで行き渡り吸音効果が高くなります。

遮音カーテンは、適した素材や仕立て方によって、高い遮音効果を発揮します。遮音性能にこだわる場合は、素材の選択にも注意が必要です。

ピアノの音

一般的に住宅用の遮音カーテンには、ベルベット素材はあまり使用されませんが、代わりに吸音効果がある織り方が施されています。例えば、二重織の一種である「風通織」などがあり、生地が複層になることで音をより吸収します。

また、厚手の生地や遮光性のある素材を使用することで、遮音性能を高めることもできます。遮音カーテンは、素材や仕立て方にこだわることで、より高い遮音効果を発揮することができます。

遮音

吸音は音を吸収することに対し、遮音は壁のように音を反射させ遮ることです。 遮音カーテンや防音カーテンは、金属樹脂などの素材を生地の裏にコーティングすることで、音の透過を防ぎます。

このように、遮音カーテンや防音カーテンは、「吸音性」と「遮音性」の2つの性能を高める構造になっています。二重や三重の構造に仕立てられたカーテンは防音効果が高く、カーテンの重量と防音性能は比例すると言われています。

遮音カーテンの性能は素材や構造によって異なりますので、自分の環境に合わせた適切な商品選びが大切です。

遮音カーテンの効果

家の中での音の伝わり方には以下の3つがあります。

  • 空気から伝わって聞こえる音
  • 物質から伝わって聞こえる音
  • 空気と物質の両方から伝わって聞こえる音

遮音カーテンで緩和できる周波数は?

音には周波数(Hz)があり、高音であるほど値が大きくなります。空気を振動して伝わる音は高周波であるほどエネルギーの減少が早く、遮音カーテンによって吸音・遮音されます。

遮音カーテンは、特定の周波数帯域の音を遮るため、素材や構造が音によって最適化されています。例えば、低周波に強いカーテンは、交通騒音のような低周波の音を効果的に遮断します。

ノックの音

低周波の低音は、物質を通して伝わる「個体伝播音」という現象があります。例えば、隣の部屋で流れている音楽のドンドンという低音だけが壁を伝わって聞こえてくるのは、低周波である低音が個体伝播音として壁を伝わって聞こえてくるためです。

つまり、遮音カーテンは高音を防ぐことは可能ですが、工事現場から地面を伝わって聞こえてくるような低周波の個体伝播音は遮ることができない場合があります。

生活している中で聞こえてくる音の参考周波数は以下の通りです。

  • 男性の声:125Hz
  • 女性の声:250Hz
  • 救急車のサイレン音:1000Hz
  • 踏切音:2000Hz
  • ピアノの高音:4000Hz
  • ジェット機:8000Hz

どの音もうるさいなと感じることがありますね。

多くのカーテン生地メーカーでは音響透過損失測定という遮音性能の試験を行っていますが、その結果は遮音加工をしていないカーテンに比べ、遮音カーテンは周波数が高い音ほど防音効果が高くなっています。

遮音カーテンで緩和できる音圧は?

音の大きさは、音圧(dB)で表されます。これは、音の高低を周波数で表すのと同様に重要な要素です。同じ周波数の音でも、音圧が高ければ、遠くまで届きます。

遮音カーテンには、12dBから18dBの範囲で音圧を半減させる効果があります。これは、カーテンが部屋内にある音を吸収して減衰させ、外に漏れる音を防ぐためです。

しかし、遮音カーテンはあくまでも音を抑制するものであり、完全に防音できるわけではありません。高周波の音やある程度の音圧域に対して、より高い効果が得られますが、低周波の音や非常に高い音圧の場合には限界があります。

遮音カーテンはどんな部屋に必要か

寝室に遮音カーテン

遮音カーテンは、ピアノを置いてある部屋、寝室や赤ちゃんが寝ている部屋、カラオケやホームシアターを楽しむ部屋、道路や線路に面している部屋などに必要になってきます。
特に隣家との間隔が近い場合は、家の中から漏れる音と、隣家から漏れてくる音の両方を遮る意味でも遮音カーテンが有効的ですね。

遮音カーテンの種類

遮音カーテンには、ドレープカーテンとシアーカーテンの2つの種類があります。

夜間に防音を求める場合は、ドレープカーテンのみで十分です。しかし、昼間にも防音したい場合は、シアーカーテンと組み合わせて取り付けることをお勧めします。

シアーカーテンは、光を通しやすく、部屋を明るく保つことができます。また、ドレープカーテンよりも軽量で柔らかく、デザイン性にも優れています。

ドレープカーテンは、部屋の雰囲気を変える効果があります。重厚感がある素材や、光を完全に遮ることができる素材もあり、夜間の防音対策には最適です。

シアーの遮音

シアーの遮音カーテンは、昼間の明るさを取り入れつつ防音効果が得られますが、ドレープの遮音カーテンと比べるとその効果はどうしても低くなってしまいます。

採光よりも防音を優先するのであれば、昼間でもドレープの遮音カーテンを閉めることをおすすめします。
またドレープとシアーの両方の遮音カーテンを閉めることによって、より防音効果が高くなります。

遮音カーテンのデザイン性

遮音カーテンを購入するにあたって気になるのはデザイン性ですね。
一般的に販売されている住宅向けの遮音カーテンは、柄物やカラーバリエーションも豊富でデザイン性も充分満足できるでしょう。

デザイン遮音カーテン

しかし学校や音響施設など、コントラクト物件用に販売されている防音専用のカーテンは、性能が高い反面、無地でシンプルなものがほとんどです。
ピアノの専用練習室やホームシアタールームなど、防音性だけを重視したい部屋には良いかもしれません。

防音性能を高めるために

遮音カーテンの性能を高めるためには、窓とカーテンの隙間をつくらないことが大切です。

一般的に、カーテンの上部の隙間から最も音が漏れることが多いため、カーテンボックスや遮音カーテンと同じ生地でレールカバーをしたり、リターン式でサイドの隙間をなくすことが有効です。また、カーテンの丈を床に届くように仕立てることもお勧めです。

これらの方法によって、窓とカーテンの間から漏れる音を効果的に防ぐことができます。遮音カーテンを使う際には、このような工夫を加えることで、より高い遮音効果を得ることができます。

遮音カーテンで音の悩みを解決

住まいの中で音に関する悩みは、ライフスタイルや周辺環境、立地条件に大きく左右されます。しかし、遮音カーテンを使うことで、その悩みを緩和することができます。

遮音カーテンを使えば、楽器の練習や音楽の鑑賞、カラオケや映画鑑賞などを気兼ねなく楽しむことができます。また、隣家との距離が近く、騒音に悩まされることがある場合にも、遮音カーテンを使うことで快適な生活を送ることができます。

遮音カーテンの購入を検討しているなら、上記のような利点があることを念頭に置いて、自分に合った遮音カーテンを選ぶことが大切です。

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