和室につけるカーテンはどうしたら良い?簡単な選び方とポイント。

部屋別

カーテンは洋室だけでなく、和室の窓にも利用できるものです。西洋から伝えられたカーテンですが、和室にはどのようなカーテンをコーディネートすれば良いでしょうか。

洋室が増えてきている日本ですが、和室も自分の拘りを入れながら上手にコーディネートできると良いですね。

和の空間に合うカーテンの選び方と、コーディネートのポイントをご紹介します。

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和室の窓に相性が良いのはカーテン?障子?ロールスクリーン?

まずは和室の窓には何が似合うのか、基本的な部分を見ていきましょう。
カーテン、ロールスクリーン、そして障子について簡単に解説します。

和室にカーテンを合わせるのは難しい?

一般的には和室にカーテンを合わせることは難しいと思われているようです。
そもそも、カーテンはヨーロッパが発祥の地であり、日本ではふすまや障子をメインに使用してきた歴史がありますよね。

日本の住宅も現在では洋室が多く、和室が無い住居も沢山あります。
こういった住環境の変化の中で洋室への憧れが強くなり、和室離れが進んでいます。

そんな和室ですから、和室用のカーテンやスクリーンというのがあまり情報として入ってこないという事情もあります。

洋室に合わせるようなカーテンをそのまま和室に持ってきては少しミスマッチと感じることも多いでしょう。

しかし、麻(リネン)や綿(コットン)などのカーテンも普及してきましたし、決して和室に似合うカーテンが無いという訳ではありません。

なんとなく、ホームセンターで買ってきたカーテンを和室に付けても満足はできないと思いますが、しっかりと和室の良さを踏まえて上で素材から選んでいけば素敵な和室づくりの為の一枚は見つかるはずです。

ロールスクリーンは和室との相性が良い

和室にスクリーンをつける

続いてロールスクリーンについて見ていきましょう。
ロールスクリーンについては和室に限らずお部屋、窓辺をすっきり見せることができますよね。

良くあるポリエステルでできたホワイトのロールスクリーンを和室に付けるだけでも十分にまとまりのあるお部屋をつくることができます。

さらに最近では和室用にモダンなデザイン、カラーを用意しているお店も増えてきています。

どうしてもカーテンでコーディネートしたいというのでないならロールスクリーンも有力な選択肢になりますので覚えておくと商品選びが捗りますね。

本来あるべき姿の障子では駄目なのか

障子のある和室

和室に障子。これほどしっくりくる組み合わせはないでしょう。障子は直射日光を和らげる働きもしてくれますし、外からの視界を遮るスクリーンとしての役割も果たしてくれます。

また、最近では二重サッシ・内窓(エコカラットやプラマードU等)が流行していますが、障子は仕組み上、二重サッシに似た役割もしてくれます。

夏は涼しく、冬は暖かくと断念機能もありますので大変優れていると言えます。

一方、デザイン面を考えたときには、多少現代の嗜好とズレてきているのかもしれません。よりモダンな空間にしたい、アジアンテイストにしたい等、お部屋全体をどうしていきたいのかを踏まえると違う選択肢を検討していかないとならないかもしれませんね。

ただ、障子とカーテンを同時に使うのは難しいですが、ロールスクリーンであれば障子の手前に付けることで機能とデザインを両方追うこともできるでしょう。

という事でまずは、和室とそれぞれのアイテムの相性について見ていきました。
和室に限らずどこのお部屋でも同様ですが、窓だけでなくお部屋をどのような空間にしたいのか、使う頻度やシーン、人を良く考えていく事が必要です。

では、次は和室のコーディネート例について見ていきたいと思います。

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和室のカーテンだけではなく全体を考えコーディネートを

従来の和室は窓に障子があることが一般的ですが、最近の住宅の和室は窓だけの場合も少なくありません。和室と言えども、遮光性や遮蔽性、断熱性を考えるとカーテンはとても有効的なアイテムと言えます。

そして、ファブリックメーカーでラインナップされているカーテン生地には、和室に合うものも多くあります。カーテンを取り入れることで、今までの和室のイメージとはがらりと変わるでしょう。

和室にシンプルにカーテンを付けるだけでも

和室の木にとても良く合うテイストですね。カーテンと木の明るさでお部屋の雰囲気ががらっと変わるはずです。
また、遮光性の高いものを選べば、落ち着いた空間を演出できますし、畳みの劣化も多少はケアできるのではないでしょうか。

ロールスクリーンで和室らしさを消さないでも

障子風スクリーンで対応することで、和室らしさを消さずに窓を彩る事もできます。このスクリーンに関しては特に価格帯が広く海外製の廉価版からナショナルメーカーの高品質なものまであるので予算に合わせて選ぶことができます。
あくまで和室は和室と考える方にはおすすめの方法でしょう。

アクセントで色を入れれば和室の雰囲気もがらっと変わる

他の部屋に比べて色選びには慎重になるのが和室かと思います。ただ、写真のように思い切って色を入れてみれば意外と自分の望んでいたお部屋に変わったりするものです。和室に合う色はいくつかパターンがあります。このページでも色選びについて触れていますので是非最後まで読んでみて下さい。

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素材で選ぶ和室のカーテン

カーテン生地の素材はいろいろありますが、天然素材である畳に合わせて、カーテンの生地も綿や麻などの自然素材を選ぶと、空間にしっくりと馴染みます。

畳と相性の良い麻のカーテン

麻のカーテンは湿度の調整に優れています。畳み、障子、ふすまと湿度が高すぎると劣化が激しくなってしまう部材が多い部屋ですから吸湿、放湿性のある麻を選ぶのもひとつの対策になります。

国内有名メーカーの製品ですと、サンゲツのEK219-EK221等がおすすめです。

麻のカーテン
参考:カーテンギャラリーハンザム

綿のカーテンと和室のコーディネート

綿のカーテンも麻と同様に天然素材ですので和室に合わせやすい素材です。綿100%カーテンという製品も多く出てきていますのでいくつか比較してみることもできます。

日差しが強く入りすぎるのも嫌だけど、完全に遮光してしまうとどんよりとしてしまうのが和室です。その点も綿のカーテンはやわらかい光をお部屋に取り入れてくれるので満足させてくれます。

素材本来の良さと和室の相性は一度検討してみても良いコーディネートです。

ジャガード織物は和室をモダンに演出

また織物生地も和室との相性がとても良く、ざっくりとした風合いのジャガード織物は和室をモダンに演出するでしょう。ジャガード織物にも多彩なデザインがありますが、ベージュやアイボリーなどナチュラルカラーを選ぶことがポイントです。

ジャガード織

マンションなどに多いリビングの一部が和室空間になっているような場合は、ヨーロピアンクラシックな柄の織物生地を合わせても良いでしょう。和と洋が調和され、バランスよくまとまります。

ジャガード織物については下記ページで解説していますので是非チェックしてみてください。

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柄で選ぶ和室のカーテン

柄物のカーテン生地には、花柄や植物柄、幾何学模様などをよくみかけますが、同じ花柄でも洋室には合って和室には合わない柄もあります。和室に合うのはどのような柄でしょうか。

「和柄」は伝統的な柄が数多くあります。和室に合うカーテンには、和柄を基調としたものを選ぶとコーディネートしやすいです。

和柄の花模様

花柄といっても、洋花と和の花ではその雰囲気も違います。梅や桜、菊、萩、水仙、椿、牡丹、紫陽花、朝顔と聞くと和のイメージですね。和室に合うカーテンとしてラインナップされている中には、こうした和の花をモチーフにした生地が多くあります。

薔薇やチューリップなど、洋花のように華やかさやカラフルなイメージはないものの、和の花が持つ控えめで落ち着いたイメージは和室にはぴったりと言えるでしょう。

和柄の植物模様

シンプルな植物のモチーフは和室にも合わせやすいことから、草木模様などのカーテンが多く見られます。楓、柳、いちょう、松葉、葵などの草木模様は昔からよく使われている伝統的な模様です。織物に織り込まれた草木模様が、上品に和室の窓を飾ります。

同じ植物でもフルーツ柄はカジュアルになりがちですが、唐辛子や茄子、栗などの実の柄なら和テイストの空間に仕上がりますね。

和柄の幾何学模様

モダンに窓を飾る幾何学模様にも和柄があります。

最もポピュラーな和柄は縞模様ですが、そのバリエーションは豊富でそれぞれの縞模様には名前がついています。「子持ち縞」もその内のひとつで、色づかいによって洋風のストライプではなく和風の縞模様を表現することができます。

チェックと言えばカジュアルな洋風チェックを思い浮かべますが、和柄では格子柄になります。和柄の格子柄にもいろいろあり、歌舞伎役者にちなんで名付けられた「高麗屋格子」は、4代目松本幸四郎が身にまとった文様です。同様に歌舞伎の女形の振袖に使われた「麻の葉」柄は江戸時代に大流行しました。

ドットや水玉模様と言えばカジュアルポップなイメージですね。和柄では細かい水玉の「鮫小紋」柄があり、水玉が細かいほど格が高いとされています。

和柄の動物模様

千鳥格子はグレンチェックとも言い洋風模様のような気がしますが、水辺に集まる千鳥をモチーフに格子状に配列した和柄でもあります。洋にも和にも合う千鳥格子は、あまり大きすぎない格子を選ぶことがポイントです。

鹿の子模様は、絞り染めから生まれた模様で、ポコポコとした模様が鹿の背ににていることから名付けられ江戸時代に広まりました。

蝶は洋風カーテンの柄にも使われますが、平家の文様でもある蝶は和柄としても有名です。植物と合わせた柄で、和室を豪華に演出するでしょう。

和柄の自然界の模様

和柄には雲や霞など自然界のモチーフもたくさんあります。

北欧ファブリックには雪の結晶など、自然をモチーフとした柄が多くありますが「雪華文様」は江戸庶民の中で流行した雪の結晶の和柄です。北欧調の柄も和室に相性が良いので、コーディネートしてみてもいいですね。

水にちなんだ和柄には、S字型の「流水文」や、水が渦を巻く「観世水文」などがあります。水のいろいろ流れや動きを模様にした和柄は、和の繊細さが表現されています。能楽の演題から名付けられた「青海波文」は、波模様を表す円弧を規則的に並べた和柄です。

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色で選ぶ和室のカーテン

次は和室に合うカーテンの色の選び方です。
和室には自然界に近い色(アースカラー)を選べば間違えありませんが、何色ぐらい思いつきますか?

日本の伝統色には、染め物や織物、陶芸、版画などから生まれたものや、美しい日本の四季やから生まれたものなど、分化や生活、自然の中から生まれた色がたくさんあります。その名も風雅があり、詩歌などで歌われるほどです。繊細な伝統色は長い歴史の中で人々に愛され続けてきました。

和室を彩るインテリアとして、カーテンに取り入れたい日本の伝統色をご紹介します。

群青色(ぐんじょういろ)

群青色

群青色はその名の通り、紫がかった深い青が群れ集まった色です。
藍銅鉱を原料とした天然絵具の岩群青は日本画に欠かせない色で、障壁画や屏風絵に使われていました。群青色は畳の縁にも使われることがあるので、カーテンとコーディネートするとおしゃれですね。

瑠璃色(るりいろ)

瑠璃色

紫みのある深い青色で、鉱物である瑠璃(洋名はラピスラズリ)を原料とした透明感のある幻想的な青色顔料です。貴重な瑠璃から生まれたこの色は、至上の色として古来より神聖視されてきました。神秘的な瑠璃色は和室をスタイリッシュな空間に変えるでしょう。

若竹色(わかたけいろ)と老竹色(おいたけいろ)

若竹色

老竹色

和室の窓から竹林が見える風景は風情がありますね。竹の色も伝統色として名が付けられています。「若竹色」は黄味の薄い緑色で若い竹を表現しています。「老竹色」は若竹色に渋みを含ませた色です。竹ひとつとっても、その色のイメージはいろいろで、日本の繊細な色の世界が楽しめますね。

柿渋色(かきしぶいろ)

柿渋色

色づく前の柿を絞ってつくられる柿渋色は、灰みがかった赤みの薄い茶色です。江戸時代の歌舞伎役者、市川團十郎がこの色の襖を身に着けたことから「團十郎茶」とも呼ばれています。渋みのある黄赤色の柿渋色は、和室をシックにまとめる色です。

緋色(ひいろ)

緋色

平安時代から伝わる緋色は、茜の根からつくられた染料を灰汁で媒染して染めた色です。やや黄味がかった鮮やかな赤色で、高貴な色として位置づけられていました。シンプルになりがちな和室のカーテンも、少し思い切って鮮やかな色を選ぶとモダンな空間になります。

スタイルで選ぶ和室のカーテン

和室のカーテンスタイルは、ドレープカーテンだけでなくシェードやスクリーンという選択肢もあります。和室に合うシェードやスクリーンの種類をご紹介します。

シャープシェード

和室に合うシェードのスタイルは、すっきりと折りたたみながら開閉するシャープシェードがおすすめです。生地に水平なバーを数本縫い込むので、無地の生地を使用すると障子のようなイメージに仕上がります。

等間隔に入れた横のバーで、すっきりスマートにたたみ上げるスタイル。直線的なラインを強調したデザインはモダンなイメージ、和空間にも似合います。昇降はコードタイプとドラムタイプから選べます。大きな窓には操作の軽いドラムタイプがおすすめ。
リリカラ:STYLE&GUIDE BOOKより引用

プリーツスクリーン

プリーツスクリーンは生地をプリーツ状に畳みながら開閉するスタイルのスクリーンで、和室にもよく利用されています。透過性のある生地とドレープ生地をひとつのプリーツスクリーンにしたツインタイプもあり、すっきりと空間を引き締めるデザインが魅力です。

パネルスクリーン

パネルスクリーンは左右にスライドさせて開閉するタイプのスクリーンで、和空間に合う素材や色、柄のパネルは襖のようなイメージになります。生地の透け感や、色柄の重なりを楽しむことができます。

カーテンで飾る新しい和室のかたち

和室に合うカーテンをご紹介しました。選ぶ生地の素材や柄、色、スタイルによって、今までの和室が劇的に変わることでしょう。和室には障子という概念を捨てて、カーテンで飾る和モダンな空間をつくりたいですね。ぜひ参考にしてください。

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