オーダーカーテンと聞くとどういったイメージが一番始めに浮かびますか?
私は、やはり高級品なのかなという印象が強く、価格の事を中心にいろいろと考えてしまいます。
また、まわりの人に聞いてみると価格の話はもちろんありましたが、「センスが問われる」や、「今の住居には合わなさそう」という意見もありました。
しかし、カーテンというのはお部屋の中でも一番面積を取っているインテリアでありますし、一番お部屋の印象を作っていると行っても過言ではありませんよね。
せっかく良いマンションに入居したり、高い金額で新築を建てたのにカーテンが量販店の安物ではなんだか残念。こう思っている人も多いはずです。
そこで、今回はオーダーカーテンの専門家であるカーテンギャラリーハンザムの毛利さんにご協力いただき、これからオーダーカーテンを作ろうと思っている方に向けて「オーダーカーテンのメリットや製作の流れ、価格感」などについて伺ってきましたので紹介していきたいと思います。
という事で、今回はオーダーカーテンをこれから作ってみようと思っている方に向けていろいろな疑問や不安が少しでも無くなれば良いなという事でインタビューさせていただきます。
はい。やっぱり専門店とかいうと敷居が高く感じてしまわれるお客様も多いので、この機会に少しでも解消できれば良いですね。
では、長くなってしまうと思うので早速、本題に入らせていただきます。
オーダーカーテンって魅力・メリットって何なの?
オーダーカーテンと既製品カーテンの違い
まずは、オーダーカーテンとは何なのかを分かりやすく理解する為に、オーダーカーテンとそれ以外のカーテン(既製品)の違いについてお聞きできますか?
オーダーカーテンというのは、ご自宅の窓に合わせてサイズを正確に合わせられる、お部屋のコーディネートを牽引する役割としてスタイル(形)、柄、色もたくさんのパターンから選べる、またお部屋の環境に合わせて機能的な部分も担えるというのが一番端的でわかりやすいかと思います。
サイズ、形、色、柄、機能という事ですね。
一方、既製品のカーテンというのは取扱いの量に限りがあるのでご自宅の窓に100%フィットするというものはほぼ出会えないと思います。
例えば、日本の大型ショッピングモールさん等に行っても既製品カーテンは色・柄10種類、サイズは3パターンから選ぶくらいが一般的ですよね。
そうですね。基本的に色・柄も無難というか地味なものが多い印象です。
ただ、既製品を沢山揃えているホームセンターなどもあります。10センチ単位でサイズを用意しているお店もありますし、色・柄が気に入ったものがあればこれで良いかという方もいらっしゃるとは思います。
オーダーカーテンの魅力とは
そうすると、既製品カーテンを探してみて良いのがあったらオーダーする必要はないという事ですかね…?
オーダーの魅力はそんなものではないですね。
おそらくここが最も一般の方に伝わってないと思うのですが、サイズは本当にそれで良いの?という事から考えないといけません。
サイズを計る=採寸というやつですね。
そうです。オーダーカーテンの場合は採寸はかなり重要なファクターとなっています。やはり一窓ごとに専門家が採寸するのがベストだと思いますね。
例えば、オーダースーツを頼む時に自分でサイズを計って作ってもらいますか?
テーラーで計ってもらいますよね。
あとは、色や柄についてはどうですか?
その時の感情や希望を主に反映させると思いますが、5年後のライフスタイルを考えた時にまだ不満なく使っていられるのかと無難な物を選んでしまいがちですが、少し広い視野で選んでいただいた良い物は飽きがこないので逆に長く使えることにもなります。
確かに部屋ごとにどういった色使いをしたら居心地が良いかなど、一般人の私には分かりません…
流行に沿うことも間違いではないと思いますけど、例えば花柄のパンツが数年前に流行りましたが、今履くのはちょっとという人もいますよね?
ファストファッションのように数千円のお買い物であればそれでも良いと思いますが、数万円単位の商品となればやはり少しでも間違いがないようにしたくないですか?
確かに服なんかは分かりやすいですね。ジーンズの幅とか色とか少しでも古臭くなってしまうと履くのをためらったりはします。
あとは、そこに機能面も考慮することができるので、様々なパターンから理想のカーテンを作っていくことができるという事になります。
漠然としていましたけど、整理できました。ありがとうございます。
- カーテンはお部屋のコーディネートを牽引する役割である。
- サイズ、形、色、柄、機能を希望に沿って選ぶことができる。
- 採寸から色、柄選びまでプロがサポートしてくれる。
オーダーカーテン製作の流れ
オーダーカーテン製作の流れ:来店から生地決定まで
次に、オーダーカーテンを注文する時の流れみたいなものを教えてほしいのでお願いします。
オーダーなので、流れも様々なのですが、代表的な例で説明させていただきますね。
まずは、ご希望をヒアリングしていきます。誰がどこのお部屋のどこの窓につける等の現状把握と機能面、デザインで達成したい事を一通り聞いていくことになります。
ちなみに機能面とデザイン面だとどちらの要望が多いのですか?
これは半々ですね。ただ、機能面重視でご来店されてもお洒落にしたいという気持ちはあるし、デザイン面を強くご要望いただいても防炎などの機能が必須だったり思ったように取付けができなかったりという事で切り離すことは難しいですね。
なるほどですね。既製品だとやはりこういった要望をすべて満たしていくっていうのは難しそうですね。
ヒアリングはやはり大切だと感じています。
あとはカーテンは窓につけるものですけど、環境についてのヒアリングも欠かせません。どういった目的でカーテンを買うのか、取り替えなのか、新居用なのか、ブラインドは選択肢に入るのか、住宅はどういった立地にあるのか等ですね。
それに合わせて提案をしてくれるという事ですね。ブラインドっていう選択肢も確かにありますね。
ブラインドならスタイルや形状、仕様の説明をしながら使い方がライフスタイルに合っているかなどを確認していかないといけないですね。
ブラインドについてはまた別の機会にお聞きしたいと思いますので今日は分かりやすくカーテンにフォーカスしてお聞きしていきたいと思います。
はい。理想の部分をお聞きできたら次は現実ベースに落とし込みをしていきます。これは、壁紙や床、家具の状況をお聞きして具体的な生地の実物を見ていただきながら、絞り込み、すり合わせをしていきます。
確かに自分ひとりでカーテンを選ぶとなるとこういった事まではちょっと頭がまわらないですね。
このすり合わせがつまりご提案になっていくのだと思いますが、だいたいここでどの生地にするか、どういったカーテンにするかというのは決まって来るのですか?
お客様の希望に合うもの、納得のいくものが見つかれば前進ですね。
あとこれは当店の推しポイントかなと思うのですが、無料で試し吊りをしていただく事になります。
ズバリこの生地にする、絶対これで決まり、1日でも早く納品してほしい!という場合は別ですが、期間に余裕があるのでしたら、候補の生地を実際にご自宅にて無料で試着していただく事ができます。
これは良いサービスですよね。値段の話は後でさせていただきますが、やはり事前に試せるのは安心です。
期間は1週間で1回に10種まで持っていっていただく事ができるので納得のいく生地を見つけるのに便利だと思います。
ただ、お店に希望のものが無いという場合はどうなりますか?
お店には1500種ご用意していますが、それでも見つからないという事は実際にあります。そういった場合はカタログや見本帳を使って調査をしていく事になります。
なるほどですね。ここまで至れり尽くせりだと、とにかく近くの専門店に一度は顔を出してみるべきですね。
オーダーカーテン製作の流れ:縫製加工からご納品まで
続けて生地が決まってからの流れもよくわからない部分があるので教えてもらえますか?
生地が決まったら次は採寸です。この採寸を徹底して行う事、また現地調査を合わせて行う事で仕上がりの満足度をグッと高めることができます。
現地調査というのは?
先程も簡単に触れましたが、お部屋の構成から窓の外の状況までを一通りチェックします。
お聞きしていたものと家具の色や壁紙の風合いが異なる場合や、隣接する住居からの視線などを再考慮し、問題があるなと感じた場合は再度ご提案をいたします。
なるほど。オーダー品のカーテンという意味合いがわかってきました。
無事採寸をした後はどう続くのでしょうか?
縫製仕様を確認して生地メーカーへ必要分注文をします。生地の手配が出来たら、縫製仕様に合った工場へ送り加工に入ります。
生地の裁断から縫製、プリーツ加工などを行い、完成後検品をして入荷してきたものがお客様へと渡ることになります。
この縫製工場での製作期間というのはどのくらいになるのですか?
これはお作りする枚数や生地、縫製の種類によっても変わってきますが、およそ1週間から2週間というのが一般的ではないでしょうか。
ただ、この記事を読んだ方にお伝えしておきたいのが、繁忙期などはもう少しお時間をいただく事もあります。そもそも輸入生地ですと海外からの生地の取り寄せに2、3週間かかりますので余裕を持ってご来店いただければと思いますね。
タイミングに寄っては、新居にカーテンが無い状態も発生してしまうかもしれないですね。
そこはさすがに外から丸見えになってしまうなどプライバシーの問題を気にされる人が多いと思いますので、無料で代替えカーテンのレンタルもしています。
本商品が完成するまで仮のものを吊るしてもらうという事ですね。
そういったサービスもあるんですね。
そうであれば、間に合わなさそうだから既製品で我慢という必要はないですね。
- オーダーカーテンを制作する目的を確認する。
- ご希望に加え、現実への落とし込みを行う。
- 試し吊り等でイメージとのミスマッチなどがないか確認する。
- 採寸と現地調査をプロが行う事で仕上がりのクオリティを上げる
- それぞれのオーダー内容に適した縫製工場で製作後、納品。
オーダーカーテンの値段の考え方・相場と参考例
オーダーカーテン製作の価格と相場
オーダーカーテンのメリットと制作の流れについてお聞きしてきましたが、やっぱり気になるのはお値段です。
オーダーなのでずばりの金額を提示してもらうのは難しいと思うので大きく3パターンくらいで説明いただくとどうなりますか?
はい。まず当店では1窓あたりのご予算が12000円からオーダーを選択していくことができます。
色や柄など限定的にはなってしまいますが、ご自宅の窓にフィットしたカーテンをつけていただく事ができます。
結構お安いですね。私の家だと窓が全部で5つなので6万円くらいって事ですね。
多少は前後しますが、そうですね。ただ、これはこだわりなどがあると難しい金額ですので参考程度に考えてもらえればと思います。
ここから3パターンの説明をしますね。
分けるのが難しいと思いますが、オーダーカーテンの事をまだ良く理解していない人向けなのでお願いします。
1つ目が1窓3~5万円の価格帯ですね。ブランドの指定までは難しいと思いますが、色・柄・機能を満たしていく事は可能です。
生地の選択肢は国内メーカーの良品がメインとなってきますね。高いカーテンというのは、まずやはり生地が高いということなんですが、糸や織り方も良く考えられた上で生地が仕上がっています。
この価格帯だと我が家は15万円~25万円という事ですね。でもオーダー品がこの値段でできるとなると良いですね。
2つ目が1窓5~8万円の価格帯です。ブランドもほぼ自由に選べると思いますし、マリメッコなどの北欧柄が多く存在していますね。デザイン重視で充分選んでいくことが出来ます。
毎回計算してしまいますが、これだと5窓で25万円~40万円ですね。
40万円となってくると少し予算のことも気になってきますね。
続けて3つ目も説明してしまいますね。3つ目は10万円以上のクラスですね。イギリスからの輸入生地などを選ぶことができます。ウィリアム・モリスとかですね。
5窓で50万円以上ですね。ポンと買えるような人もそれなりにいると思いますが、私は無理ですね。お客さんはどう考えているケースが多いのですか。
そうですね、ほんとうに窓にぴったりのカーテンが付けば良いという人もいれば、お部屋全体のコーディネートをかなり細かくお考えの方まで様々ですから…
予算オーバー気味でリビングだけでも好きな物をと選んでくださった方は、あとからこれにして良かったと言ってくださいますし、価格できめるとあとで後悔することも多いですよね。
取替えなら、ひと部屋ずつ順番に良い物に変えていかれるのもおすすめです。
でも身の丈にあったものを生活に取り入れて欲しいという想いはありますよね。
価格の考え方について
年収とかってことですか?
ご収入というよりも、例えばご新築の建物に5000~7000万円かけているのに窓は12000円×12窓しか予算が無いというのは少し残念ですよね。
これは施主さんが悪いという事ではなくて「家」を考える時にカーテンって最後になってしまうんですよね。なので、予算が他に取られてしまってもう残っていないと。
一番目立つ部分なのにですね…
ほんとうにそこなんですよね。
あとは、使用年数などをきちんと考えていけばそこまで高くないのかなと。
毎日見て、触るものですので、一度使っていただけば、より良さが実感できるはずです。
結構長く使われますよね。
仮に10年使用するとなると、40万円かけても、3650日使えるわけですから、1日あたりは約110円ですよね。缶コーヒー1個分です。
さらに窓にフィットしたカーテンであれば冷房、暖房などの光熱費も節約に繋がります。
なるほど。25万円だと約70円ですね。こう考えると得られるメリットの方が大きく感じてきますね。
大学生の一人暮らしのお部屋であれば量販店でなんとなく買ってきたものが付いていて、丈が短かったり、長かったりしても若者らしいお部屋という印象ですけど、そうでない場合はやはりオーダーのものがついているほうがお部屋の印象はだいぶ変わりますよね。
好きな色、柄、ブランドそして機能面もケアされながら毎日過ごせるっていう事ですね。
そうですね。どの価格帯にお気に入りのものがあるかも分かりませんから、まずはお近くの専門店に行ってみることをおすすめします。
そしてどうしても予算面などで駄目だったら量販店なども選択肢に入れていくというのが後悔しないカーテン選び、お部屋づくりに繋がると思いますよ。
- 1窓12000円程度からオーダーカーテンの製作は可能。
- 家、お部屋、ライフステージに合わせたカーテンを選ぼう。
- 価格の心配はせずにまずはお近くの専門店へ行ってみよう。
オーダーカーテンの魅力やメリットのまとめ
今回はカーテンギャラリーハンザムの毛利さんにご協力いただき、「オーダーカーテンの魅力」について主に、
- オーダーカーテンの魅力・メリット
- オーダーカーテン製作の流れ
- オーダーカーテンの価格や相場
の3点についてお聞きしてきました。
インタビューの最後に、「オーダーカーテンはファッションです。」と仰れていたのが印象的でしたが、この一言がまさにオーダーカーテンを表していると思いました。
拘りたければどこまでもできるし、逆に着られれば良いというのであれば安価なファストファションで済ます事もできる。
ただ、洋服と違うのは、カーテン生地に興味を持つタイミングというのが新居などへの引っ越しの際に一時的にしか盛り上がらないという事。ここが素敵な住空間を作る上での課題なのかもと思いました。
住宅に関する予算も土地や建物から予算割りをしていき、最後の最後にカーテンを検討するときには妥協案を採用せざるを得ないという現実も見逃せないと思います。
お値段も想像より幅が広く、選びやすいと思います。
カーテンどうしようかな?と悩んでいるのであれば専門店でのオーダーカーテン製作は第1候補に入れておくと良さそうですね。