カーテン装飾の名脇役「タッセル」
カーテンのアクセサリーと言えばタッセルですね。
カーテンと同じ生地でつくられた舟形のタッセルが一般的ですが、ちょっと物足りない感じもしますね。もっとカーテンをおしゃれに飾りたい!と思ったら、タッセルにこだわってみませんか?
カーテンタッセルは伝統的な房付きタッセルから、現代のアレンジタッセルまで多種多様です。カーテンの表情を変えることができるタッセルは、究極のカーテンアクセサリーと言えるでしょう。
カーテンをセンスアップするおすすめのタッセルの選び方や購入方法をご紹介します。
装飾品タッセルの誕生と使用例
カーテンをまとめるものを総合して「タッセル」と呼んでいますが、もともとタッセルとは房飾りのことで、束ねた組み紐の中央を結んで房状にしたものです。(以降、「房飾り」とカーテンをまとめる「タッセル」を言い分けてご説明します)
房飾りは中世の西洋で、室内の装飾品として発展してきました。
ルネサンス期で小さくカジュアルだった房飾りは、ヴィクトリア朝には大きく豪華なデザインと変化し、芸術品としての価値もありました。当時はカーテンを飾る以外にも、あらゆる場所で装飾品として愛されていました。
装飾品である房飾りは、主に衣服やカーテンを飾るものとして広まりましたが、国や文化によって使用法もさまざまです。
アメリカでは、大学の卒業式にアカデミックドレスと合わせて着用する、モルタルボードと呼ばれる帽子に付けられています。卒業生が一斉に防止を空高く投げるシーンを映画などで見たこともあるのではないでしょうか。
また中東においては房飾りをお守りとして、こども用の帽子のてっぺんに取り付けられることもあります。
最近では日本でも人気が高まって、房飾りのバッグチャームやキーチャーム、房飾りのピアスやネックレスなどが流行しています。
カーテンを装飾する意味での房飾りは、カーテンを開けたときにまとめるタッセルとして使われるほか、房飾りを帯状に連ねたフリンジトリムがあります。
フリンジトリムはカーテンの縁を飾ったり、クッションの周りを縁取ったり、ファブリック全般を装飾するアイテムになっています。
カーテンタッセルの種類
ヨーロッパの伝統的な房飾り
中世のヨーロッパから伝統的なスタイルとして引き継がれてきた房飾りは、今でもクラシックスタイルのカーテンにコーディネートされます。海外の有名なデザイナーやブランドの房飾りは、高価なもので1本1万円以上するものなど、カーテンと同じぐらいの価格のものもあります。
大きなものでは30㎝近くもあり、ボリュームたっぷりの房飾りはそれだけで存在感があります。房の上部にはデザインの凝った玉飾りなどが施され、ツイストコードにひとつ、または二つ付いた房飾りがヨーロピアンクラシックの品格のある窓空間を演出します。
自由な発想のデザインタッセル
現在では、リボンタッセル、ビーズタッセル、フリンジタッセル、ジュエリータッセル、ワイヤータッセルなどさまざまなデザインのカーテンタッセルがあります。テイストもエレガントなものからカジュアルなものまでバリエーションが豊富。
独立型のマグネットタイプやかんざしタイプはフックを必要としないので、カーテンのどの高さでも留めることができます。さらにマグネットタイプは、カーテンの裾をバルーンシェード風にたくし上げる使い方もできる万能タッセルです。
手作りのカーテンタッセル
ハンドメイドが得意ならオリジナルのカーテンタッセルを手作りしてもいいですね。材料は自由な発想でいろいろなものが活用できます。
オーソドックスな舟形タッセルでもカーテンと別布でつくるとアクセントになります。ピコレースで縁取ったり、バイヤステープでパイピングしたりなど単調にならない工夫をしましょう。
麻の極太ロープを使うとマリンテイストな雰囲気になります。アジアンノットのあわじ玉の要領で結ぶと、輪の留め具になります。ミシンを使わずにつくれる簡単タッセルです。
モチーフ付きのレース編みタッセルは、カーテンをフェミニンに飾ります。太めのレース糸でざっくりと編むと華奢にならず、しっかりとカーテンをまとめて存在感をアピールしてくれます。
お気に入りの房飾りとツイストコード、銀のチャームとレザーコードなど、アイテムとコードを組み合わせてつくるタッセルも素敵です。
カーテンタッセルはどこで買える?
既製カーテンには共生地の舟形タッセルが付属されています。オーダーカーテンの場合は、共生地のタッセルをつくるかどうかを選択できるシステムが多いようです。
共生地以外のデザインタッセルは、カーテンショップなどにアクセサリー用品として販売されています。
ヨーロッパには室内装飾品の専門店があるほどで、有名ブランドやデザイナーズの高価な房飾りが数多く売られています。
このような専門ショップは日本ではまだ馴染みが薄く、あまり見かけることもありませんが、ファブリック製品を取り扱う店やアンティーク家具店などでもカーテンタッセルが売られていることがあります。
カーテンとタッセルの位置関係
カーテンを美しく飾るには、カーテンに対するタッセルの位置関係がとても重要になってきます。
タッセルの位置を決めるときは、実際にカーテンに留めてみて、そのバランス状態を見ながらベストポイントを見つけましょう。タッセルの位置が決まったらフックの取り付け位置を調整します。房飾り付きタッセルなど垂れ下がるタイプの場合は、その大きさや長さによってフックを高めにすることでバランスが良くなります。
テラス窓か腰高窓によっても、カーテンとタッセルの位置関係は変わってきます。
テラス窓の場合
黄金比は数学的に算出した比率ですが、古来より「線を分割する最も美しい比率」とされ、建築や芸術などのデザイン史の中で多く取り入れられています。エジプトのギザ大ピラミッド、パルテノン神殿、モナリザなども黄金比が利用され、多くの人がその美しさに魅了されてきました。
黄金比は約1:1.618の比率です。現代のデザイン界でも多用され、名刺やタバコのパッケージ、Appleのロゴも黄金比を利用しています。
テラス窓のカーテンに掛けるタッセル位置も、黄金比を意識してみてはいかがでしょう。
腰高窓の場合
古来よりヨーロッパで美しいとされてきた黄金比に対して、日本では白銀比を好む人も多いという結果も出ています。
白銀比は約1:1.414で黄金比より比率が小さくなり、テラス窓よりカーテンの丈が短くなる腰高窓では、比率の小さい白銀比の方がバランスが良いと言えるでしょう。これはあくまでもテラス窓と同じ幅であることが前提です。
タッセルの位置を黄金比や白銀比にこだわることはありませんが、デザインにおいて古来より美しいと感じてきた人間の感性をインテリアにも取り入れてみることもアイデアのひとつです。
カーテンタッセルの長さで決まるブラウジング
カーテンをタッセルで留めたとき、カーテン上部からタッセル位置までのブラウジングの度合いで雰囲気がずいぶんと変化してきます。
長いタッセルは、カーテンをよりたっぷりとブラウジングすることができ、エレガントな窓辺を演出します。オーバークロスの両開きカーテンであれば、さらに豪華なイメージになります。
窓空間を飾る重要アイテム
歴史を感じる伝統的なタッセルから現代の自由なデザインタッセルまでご紹介しましたが、お部屋のカーテンを素敵に飾るタッセルは見つかりそうですか?
ネックレスやブレスレットなどのアクセサリー、腕時計、帽子やスカーフなどのアイテムがファッションの一部であるように、タッセルも窓空間を飾る重要アイテムです。
こだわりのあるタッセルで、カーテンとのコーディネートを楽しんでくださいね。