オフィスの遮光対策に最適なカーテン・ブラインドの選び方ガイド

オフィスの遮光対策に最適なカーテン・ブラインドの選び方ガイド
目次

なぜオフィスに遮光対策が必要なのか?

オフィスにおいて遮光対策は、単なる快適性の向上にとどまらず、業務効率や空間の印象を左右する重要な要素です。特に南向きや西向きの窓があるオフィスでは、直射日光がディスプレイや会議資料の視認性を妨げたり、室内温度を上昇させ空調コストの増大につながったりします。

また、会議室や応接スペースでは、プライバシーの確保や集中しやすい環境作りも求められます。こうした場面で、適切な遮光性能を持つアイテムを選ぶことで、働きやすさ・接客の質・業務効率のすべてが向上します。

まぶしさ・日差しによる業務効率低下

まぶしさ・日差しによる業務効率低下

日中、強い日差しが窓から差し込むと、モニター画面の反射や視界のまぶしさが原因で作業効率が低下します。
特にパソコン業務では、画面の文字や画像が見えづらくなり、姿勢を変えたり目を細めたりといった無意識の動作が増えることで疲労も蓄積します。
時間帯によって光の角度が変わるため、一日の中で作業環境が安定しないことも、生産性低下の要因となります。

会議室や応接室のプライバシーと集中力確保

会議室や応接室のプライバシーと集中力確保

外部からの視線や光が入りやすい会議室や応接室では、遮光性のあるカーテンやブラインドを使うことでプライバシーを守ることができます。
また、視覚的に空間を閉じることで、参加者が周囲を気にせず話に集中できる環境が整います。
重要な商談や機密性の高い打ち合わせでは、この「視線遮断効果」が心理的な安心感を与え、会議の質向上にもつながります。

空調効率や省エネ効果の向上

空調効率や省エネ効果の向上

夏場の直射日光は室温を急激に上昇させ、冷房の稼働時間や設定温度を増加させる原因となります。
遮光機能を持つカーテンやブラインドを使用すれば、窓から侵入する熱を大幅に抑えられ、空調効率が向上します。
その結果、電気代の節約やCO₂排出削減といった省エネ効果も期待でき、環境配慮の観点からも有効です。

プロジェクターやモニターの視認性確保

プロジェクターやモニターの視認性確保

プレゼンテーションやオンライン会議でプロジェクターや大型モニターを使う場合、外光が画面に当たると映像が見づらくなります。
特に昼間の会議や研修では、遮光対策をしないと文字やグラフがぼやけ、参加者の理解度や集中度が下がる恐れがあります。
遮光カーテンや遮光性の高いブラインドを適切に使用すれば、明るい日中でも鮮明な映像を保つことができます。

遮光に適したアイテムの種類と特徴

遮光カーテンの特徴と等級(1級・2級・3級)

遮光カーテンは、生地自体に光を通しにくい加工や織り方を施したファブリック製品です。遮光性能はJIS規格で1級・2級・3級に分類され、それぞれ光の遮断率と室内の暗さが異なります。

  • 1級:99.99%以上の光を遮断。日中でも室内をほぼ真っ暗にでき、会議室や仮眠室、映像プレゼンが多い空間に最適。
  • 2級:99.80〜99.99%の光を遮断。やや光を感じるが、眩しさをしっかり抑えられ、応接室や落ち着いた執務スペースに向く。
  • 3級:99.40〜99.80%の光を遮断。外の明るさを適度に感じながら、眩しさを軽減できる。

遮光カーテンは光漏れが少なく、防音・断熱効果も期待できるため、機能面でバランスの良い選択肢です。


遮光ブラインドの種類(アルミ・木製・樹脂など)

ブラインドはスラット(羽根)の角度を変えて光量や視線をコントロールできるのが特長です。遮光性能はカーテンほど高くないものの、調光性に優れています。

  • アルミ製ブラインド:軽量で耐久性が高く、価格も比較的手頃。防錆加工された製品は湿気の多い環境でも使用可能。
  • 木製(ウッド)ブラインド:高級感と温もりのある見た目で、応接室や役員室などの空間演出に適している。スラットが厚いため遮光性も比較的高い。
  • 樹脂製(PVCなど):軽量で扱いやすく、カラーバリエーションが豊富。コストを抑えたい場合やカジュアルな空間に向く。

ブラインドは掃除がしやすく、省スペースで設置できる点もメリットです。


ロールスクリーンやハニカムスクリーンとの違い

  • ロールスクリーン(遮光タイプ):一枚布を巻き上げて収納するシンプルな構造。遮光生地を選べば光漏れは最小限で、すっきりとした見た目が特徴。
  • ハニカムスクリーン:蜂の巣状の断面構造で、遮光と断熱性能に優れる。室温を安定させ、省エネにも効果的。

これらは窓回りをシンプルに見せたい場合や、省スペースを重視するレイアウトで特に効果を発揮します。


布系 vs 非布系(空間印象の違い)

遮光性能だけでなく、空間の印象づくりも製品選びの重要なポイントです。

  • 布系(カーテン、布製ロールスクリーンなど):柔らかく落ち着いた雰囲気を演出でき、応接室や休憩スペースなどでリラックス感を高められる。吸音効果も期待できる。
  • 非布系(ブラインド、樹脂・金属スクリーンなど):直線的でシャープな印象を与え、現代的でクリーンなオフィスデザインに馴染む。清掃しやすく、衛生管理がしやすい。

目的や空間の役割に合わせて、素材感と機能性のバランスを考慮することが重要です。

オフィス空間別の選び方ガイド

会議室|1級遮光+防音性能も視野に

会議室|1級遮光+防音性能も視野に

会議室では、外光や外部の視線を遮ることで集中力が高まり、商談や打ち合わせの質が向上します。特にプロジェクターや大型モニターを使う場合は、1級遮光カーテンや遮光ロールスクリーンで光をほぼ完全に遮ることが効果的です。
さらに、防音裏地や厚手の生地を組み合わせれば、会話の漏れや外部からの雑音も軽減できます。重要な会議や機密性の高い打ち合わせが多い企業では、防音性と遮光性を兼ね備えた仕様が理想です。


応接室|遮光とインテリア性のバランス

応接室は来客の第一印象を左右する空間です。完全遮光よりも、2〜3級程度の遮光性でやわらかい光を取り入れながら、落ち着きのある雰囲気を演出するケースが多く見られます。
カーテンの場合は色味や質感で高級感を出し、ウッドブラインドなら木目の温もりとスタイリッシュさを両立できます。企業のブランドカラーや内装との調和も意識して選ぶことが大切です。


執務スペース|ブラインドで調光・通気性重視

執務エリアは、長時間作業を行うため、光を完全に遮るよりも快適な明るさを保つことが重要です。アルミや樹脂製のブラインドならスラット角度の調整で日差しをコントロールでき、視線カットと採光を両立できます。
また、ブラインドは通気性が良く、省スペースで設置できるため、デスク配置の自由度も高まります。清掃のしやすさも日常のメンテナンスを考える上で大きなメリットです。


サロン・クリニック系オフィス|やわらかい雰囲気の演出

美容院、エステサロン、クリニックなどのオフィススペースでは、遮光性に加えて来訪者に安心感や清潔感を与えるデザイン性が求められます。
防炎・抗菌加工の施されたファブリックや、淡い色合いの遮光ロールスクリーンなど、やわらかい印象のアイテムが好まれます。空間全体のトーンに合わせた素材選びで、リラックスできる環境を演出できます。


仮眠室・集中ブース|徹底遮光の布製アイテム

仮眠や集中作業を行う空間では、光や音をできる限り遮断することが重要です。1級遮光カーテンや厚手の遮光スクリーンを使えば、昼間でも暗く静かな環境が確保できます。
特に布製カーテンは吸音効果があるため、周囲の物音をやわらげる効果も期待できます。休憩の質や作業効率を高めるためにも、遮光性と防音性の両立を意識しましょう。

ブラインドとカーテンのメリット・デメリット比較

オフィスの遮光対策では、カーテンとブラインドのどちらを選ぶかは大きな判断ポイントです。どちらも一長一短があり、空間の用途や求める機能によって適した選択は異なります。ここでは主な比較項目ごとに、それぞれの特徴を整理します。


遮光性
カーテンは特に1級遮光生地を使えば、日中でも室内をほぼ真っ暗にできる高い遮光性があります。一方ブラインドはスラット構造のため、角度を閉じても隙間からの光漏れが発生しやすく、完全遮光には不向きです。

見た目
カーテンは布の質感が柔らかさや温かみを演出でき、応接室や落ち着いた空間に向きます。ブラインドは直線的でスッキリしたデザインが特徴で、現代的でスタイリッシュな印象を与えます。

調光性
カーテンは開けるか閉めるかで光量を調整するため、調光は大まかになります。ブラインドはスラットの角度を変えることで細かな光のコントロールが可能で、日差しの向きや強さに応じて調整できます。

防音性
布製のカーテンは音を吸収するため、防音・吸音効果があり会議室や集中スペースに適します。ブラインドは硬質素材が多く、防音効果はほとんど期待できません。

メンテナンス
カーテンは洗濯可能ですが、取り外しや乾燥などの手間がかかります。ブラインドはホコリを拭き取るだけで比較的簡単に日常清掃ができます。

コスト
カーテンは生地や縫製仕様によって価格幅が広く、特注品は高価になる場合があります。ブラインドは規格品が多く、比較的安価に導入できる傾向があります。


カーテンは遮光性・防音性・印象づくりに優れ、ブラインドは調光性・メンテナンス性・価格面にメリットがあります。用途や設置場所の条件に合わせて、最適な方を選ぶことが重要です。場合によっては、同じオフィス内で空間ごとに使い分けることで、機能とデザインのバランスを取ることもできます。

選定前に確認しておくべきポイント

オフィスにカーテンやブラインドを導入する際は、見た目や価格だけで決めてしまうと、使い勝手や安全面で後悔するケースがあります。
以下のポイントを事前に確認しておくことで、長期的に満足できる選択が可能になります。


採寸・設置条件(レールの有無、天井付けか壁付けか)

まずは設置場所の寸法を正確に測定することが必須です。窓枠内寸・外寸の誤差や測り忘れがあると、光漏れや取り付け不可といったトラブルにつながります。
既存のカーテンレールやブラケットの有無も確認し、なければ新設工事が必要です。
また、天井付けは空間をすっきり見せられる一方、壁付けは光漏れを減らす効果があります。設置方法の違いも考慮しましょう。


防炎加工・抗菌性などの安全基準(法人向け)

オフィスや商業施設では、防炎性能が消防法で義務付けられている場合があります。特に高層ビルや不特定多数が利用する施設では必須条件となることが多いため、製品の防炎ラベルや証明書を確認しましょう。
医療・福祉系のオフィスでは、抗菌加工防汚加工が施された製品を選ぶことで、衛生面への配慮や管理コストの削減にもつながります。


企業イメージに合った色・素材選び

来客や社員に与える印象は、窓まわりのデザインでも大きく変わります。
ブランドカラーやロゴに近い色を採用すると企業らしさが伝わりやすく、逆に落ち着きや信頼感を与えたい場合は、濃色やニュートラルカラーが効果的です。
素材も印象を左右します。布は温かみ、アルミや樹脂はクールで機能的な印象を与えるため、オフィスのコンセプトと合わせて選びましょう。


掃除・メンテナンスの体制(清掃会社/内製か)

日常的な清掃や定期メンテナンスの方法も事前に決めておく必要があります。
カーテンは洗濯やクリーニングが必要で、防炎加工が落ちないよう専用洗剤を使う場合もあります。
ブラインドはホコリがたまりやすいですが、定期的に拭き掃除を行えば清潔を保てます。
清掃を社内スタッフで行うのか、外部業者に委託するのかによって、素材や構造の選び方も変わります。

予算感と費用の目安

遮光カーテンやブラインドの導入費用は、製品の種類・サイズ・素材・機能性によって大きく異なります。ここでは一般的なオフィス導入時の価格帯と、コストに影響する要因を整理します。


遮光カーテンの価格帯(既製品〜オーダー)

  • 既製品(量販店・通販)
    幅100cm × 丈200cm程度の既製遮光カーテンは、1枚あたりおおよそ3,000〜8,000円程度。低予算で導入でき、在庫品のため納期も早いのがメリットです。
  • オーダーメイド
    生地・遮光等級・縫製仕様を指定可能で、1窓あたり15,000〜50,000円程度が相場。防音裏地や特殊加工を加えるとさらに高くなります。
    オフィスの窓サイズやデザイン要件に合わせたフィット感と機能性を求めるなら、オーダーが有力候補です。

ブラインドの価格帯(材質・枚数で変動)

  • アルミブラインド(既製サイズ)
    幅180cm × 高さ180cm程度で8,000〜15,000円程度。軽量で耐久性があり、コストパフォーマンスが高いのが特徴です。
  • ウッドブラインド
    幅180cm × 高さ180cm程度で20,000〜50,000円程度。デザイン性が高く、応接室や役員室など高級感を重視する空間に適しています。
  • 樹脂製ブラインド
    カラーバリエーションが豊富で、アルミよりやや安価な製品も多く、5,000〜12,000円程度が目安です。

施工費・下地工事の有無

  • 既存レールやブラケットを利用する場合
    取り付け費用は1窓あたり3,000〜5,000円程度
  • 新設や下地補強が必要な場合
    1箇所あたり5,000〜15,000円程度の追加費用が発生することもあります。
  • 特殊な大型窓や高所作業が伴う場合は、別途作業費が加算される可能性があります。

法人向けまとめ発注でのコストダウン例

  • 同一製品を複数窓分発注することで、メーカーや施工業者から5〜20%程度のボリュームディスカウントが適用される場合があります。
  • 年間メンテナンス契約とセットにすることで、製品保証やクリーニングサービスが付与されるケースもあります。
  • 複数拠点で一括導入する際は、仕入れ・施工を一本化することで輸送費や作業費の削減も可能です。

オフィスの遮光対策は「用途」「印象」「メンテ性」で選ぶ

オフィスの遮光対策は、「カーテンかブラインドか」という単純な二択では決められません。
重要なのは、それぞれの空間の用途・求める印象・日々のメンテナンス性を踏まえたうえで、最適な組み合わせを選ぶことです。

会議室や仮眠室のように光や音をしっかり遮断したい場所では、1級遮光カーテンや厚手の布製アイテムが有効です。
一方で、執務スペースや共有エリアのように明るさや風通しを調整したい空間では、ブラインドの調光性や省スペース性が活きます。
応接室や来客スペースでは、遮光性能と同時に、来訪者の印象を左右するデザイン性も重視すべきポイントです。

また、製品選びの段階で清掃や交換のしやすさを考慮しておくことで、長期的な運用コストや手間を抑えられます。
遮光性能だけでなく、オフィスの雰囲気や業務特性、メンテナンスの負担までを視野に入れた「空間別ベスト」の選択が、快適で効率的な職場環境づくりにつながります。

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